'シンプルな暮らし'からのロンドン生活                 (旧:子育てと家族育て -シンプルな暮らし-)

日本でシンプルライフを楽しんでいたら、突然ロンドン転勤が決まり、告知から約2ヶ月で全てを清算して移住した話、今5年目。

シンプルな暮らし - イタリア田舎暮らしのエッセンス -

 

4年前、イタリアの友人の自宅に数日滞在したことがあります。

その時の友人の質素な暮らしぶりは素晴らしく、

その後、私自身が「シンプルな暮らし」を目指すにあたって、

頭にちらつく光景となりました。

 

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友人の自宅は街の中心部から車で20分ほど、軽い山道を上ったところにある、

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丘の上にたつ、大きな一軒家です。

縦割り長屋みたいになっていて、この一軒家に2家族が住んでいます。

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大きくて重たい木の扉を開けると、

右手に20インチくらいの小さなテレビと

(ついているのは見た事がないので、もしかしたら壊れてるのかも?)、

ゆったりとしたソファ、大きな本棚には本がぎっしりと立ててあり、

いつも音楽がかかっていました。

そして暖炉もあり、食卓、コンパクトなキッチンにランドリー。

水道は、鉛筆の細さくらいしか水が出ません。

2階には部屋が2つとシャワールーム。

子どもは巣立ち、当時友人は一人暮らしをしていたので、

屋根裏部屋で布団みたいなものを敷き、ここで寝ているようでした。

 

日が暮れても電気はつけず、

暖炉の火と、食卓にともした小さなキャンドルだけ。

家の中なのに、まるでキャンプ場です(笑)

 

中心街で買ってきた美味しいソーセージを暖炉の火で焼きます。

着火材は、IKEAのカタログでした(笑)かなり自由です。

薪は地域で分け合っているようでした。

火を起こし、その火で食べ物を焼き、しかも照明にもなる。

しかも家の中でです。さらに特別なグッズは何一つ使っていません。

ゲストが日本からはるばるやってきたので、多少はサービスしているのでしょう。

普段は、毎日は暖炉に火を入れることはなく、

ろうそくの火だけでより暗い生活を楽しんでいるはずです。

それは友人の暮らしそのもので、とても自然体。

音楽と会話、薄暗がりの中で食べる、手作りのソーセージは格別でした。

外で蛍がいると捕まえて、家の中で自由に飛ばします。

暗闇の自宅で、細い光が漂います。

素朴で、とても簡単で、でもホンモノな暮らし。

 

こうやって書くと、いい面しか見えません。

イタリアという国も深刻な問題が満載で、また日本ほど機能的にコトは進みません。

例えば、家の修理が発生してもなかなか業者が来なかったり、

やっと人が来ても今度は部品が取り寄せになるなどと言い、1回の訪問で決着せず、

何ヶ月もかかってやっと不便が解消する、なんてことが日常です。

イタリア中部では時々大きな地震が起こりますが、壊れた建物が何年もそのまま

(名目上は「修復中」)であることも普通です。

 

あらゆる不便さがベースにあっての、イタリアのシンプルな暮らし。

素晴らしく機能的で便利なインフラに恵まれた日本での、シンプルな暮らし

 

日本の方に、「  」をつけたくなったのはどうしてだろう・・・

 

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さてさて、こうした友人の素朴な暮らしぶりから、

日本で、子どもと一緒の日常生活を送る我が家でも

実践できそうなことをピックアップしてみると、

 

 ・時には、薄暗がりと音楽を楽しみながら、家族でご飯を食べる

  (子どもがある程度大きければろうそくの明かりを楽しむ。

   まだ幼いなら、LEDランタンを暗めにつけても楽しい)

 ・時には、鉛筆の細さで食器を洗ってみる

  (意外に汚れは落ちる)

 ・時には、美味しいお肉を買ってきて、シンプルに網で焼いて塩で味わう。

  (赤身で旨味のある割高な肉を選ぶ)

 

こんな感じでしょうか。私にとっては毎日実践する暮らしではなく、

時に行う「刺激的なシンプルライフ療法」みたいなものですね。

それでも、不思議なことに、時に薄暗い生活にしてみると何だか気持ちが良いです。

キャンプに行った時の気付きに、少し似ています。

もちろん、床におもちゃが飛散しているとこの療法はできませんね。

こどもの安全が第一。 やるなら片付けてから、電気を消しましょう : )

 

でもぶっちゃけ、あまりに散らかり過ぎていて、片付けるのに時間がかかり

やりたいのに今日は暗闇の雰囲気作りなんて無理!、そんな残念な日もあります(笑)

そんな日は、もう諦めて部屋は明るくしたままにして、

寝る時に寝室にランタンの光を持っていって、

その小さな光だけで、

静かな声で暗い中絵本を読んであげると子どもたちは喜んでくれます。